ご本尊と脇侍
ご本尊(ほんぞん)とは、
宗教の信仰対象物となる仏像や掛け軸のことを指します。
各宗派の教えを具現化したもので、
一般的に先祖代々のご本尊を仏壇に供え、子孫が受け継いで守っていきます。
ご本尊と脇侍(きょうじ・わきじ)
ご本尊の種類には仏像(彫刻品)と掛け軸があります。
ご本尊は、教化を補佐する役割をもつとされる脇侍と合わせて
お祀りするのが正式な方法です。
*お祀りしたら開眼供養…お仏壇についてはこちらでもご案内しています。
宗派ごとのご本尊・脇侍
【浄土宗】
ご本尊は、「舟型の光背の前に立った阿弥陀如来(あみだにょらい)」です。
阿弥陀如来は極楽浄土の教主で、この如来を念ずる人を極楽浄土に往生させてくれます。
直ちに人を救おうとする姿勢のため、少し前に傾いています。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」を口に出して称える念仏を中心とした
浄土思想を確立した人物である「善導大師(ぜんどうだいし)」で、
絵像には口から雲にのった阿弥陀仏を吐き出しているようなお姿で描かれているものがあります。
左は、浄土宗の開祖である「円光大師(法然上人)」(えんこうだいし(ほうねんしょうにん))です。
【浄土真宗 本願寺派】
ご本尊は、「阿弥陀如来」です。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
鎌倉時代の浄土真宗の開祖である「親鸞上人(しんらんしょうにん)」、
左は、室町時代に親鸞上人の教えを正確に広く伝えたと言われる「蓮如上人(れんにょしょうにん)」です。
【浄土真宗 真宗大谷派】
ご本尊は、「阿弥陀如来」です。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、「十字名号(じゅうじみょうごう)」か「親鸞聖人」、
左は「九字名号(くじみょうごう)」か「蓮如上人」です。
十字名号は「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」の十文字で、
「滞る事なく十方を照らして、どんな隅々の者までもお救いくださる仏様に帰依(きえ・拠り所の意)します」
という意味です。
九字名号は「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」の九文字で、
意味は「私たち人間では到底思い量ることのできない大いなる仏様に帰依します」
という意味です。
*「阿弥陀如来」についてはこちらでも詳しくご案内しています。
【曹洞宗】
ご本尊は、仏教の開祖「釈迦如来(しゃかにょらい)」が座っている「座釈迦如来像」です。
(釈迦牟尼仏・しゃかむにぶつに同じ)
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
曹洞宗の開祖である「道元禅師(どうげんぜんじ)」、
左は、曹洞宗を日本中に広めていった、道元禅師から4代目の瑩山禅師(けいざんぜんじ)です。
【天台宗】
特定のご本尊は定まっておらず、一般的には「座っている阿弥陀如来(座弥陀・ざみだ)」を
飾ることが多く、釈迦如来、薬師如来(やくしにょらい)、観音菩薩(かんのんぼさつ)を
飾る場合もあります。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
中国のお釈迦様とも言われ、中国天台宗の開祖である天台大師(てんだいだいし)の「智顗(ちぎ)」、
左は、天台宗の開祖である伝教大師(でんぎょうだいし)の「最澄(さいちょう)」です。
【真言宗】
ご本尊は、密教で最高の位にいる仏様とされ、宇宙そのものを指すと言われる
「大日如来(だいにちにょらい)」です。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
真言宗の開祖である弘法大師(こうぼうだいし)の「空海(くうかい)」、
左は、迷いの世界から煩悩を断ち切るよう導いてくれる仏、
大日如来の化身とも言われている「不動明王(ふどうみょうおう)」です。
*「大日如来」についてはこちらでも詳しくご案内しています。
【臨済宗】
ご本尊は、「釈迦如来(しゃかにょらい)」が座っている「座釈迦如来像」です。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
禅宗の開祖「達磨大師(だるまだいし)」(妙心寺派では、妙心寺を開山した「無相大師(むそうだいし)」)、
左は、人々の苦しみの声を聞き、救いを与える「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」
(妙心寺派では鎌倉時代の天皇「花園法皇(はなぞのほうおう)」)です。
【日蓮宗】
ご本尊は、日蓮宗の宗祖・日蓮聖人が仏様の悟りの世界を文字で表した曼荼羅(まんだら)です。
脇侍は、ご本尊に向かって右が、
子育てや安産、子供を守護する善神「鬼子母神(きしもじん)」、
左は、法華経の守護神として祀られ、
七福神としても広く親しまれている「大黒天(だいこくてん)」です。
お仏壇はないといけないの?
核家族化や、住宅事情などで、お仏壇のない家も増えています。
もちろん、お仏壇を置かなくてはならないという決まりはありません。
しかし、ご本尊とお仏壇は、長い歴史の中で、私たちの日常生活と共にあり、
「心のよりどころ」として支えになっていた存在です。
ご先祖様や家族が亡くなった命日に、家族がそろってお仏壇に手を合わせる機会を設けることで、
家族が一緒に過ごす時間を作ることもできます。
また、ご本尊と仏壇は先祖代々からの命のつながりを確認するだけでなく、
大切な人を亡くした悲しみを癒すという役割もあります。
「亡くなった人との語らいの場」として、お仏壇の役割はとても大きいと言えます。
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